調停離婚の手続きについて

2014年05月12日

調停離婚の手続きについて

 

■家庭裁判所に離婚調停を申し立てる

調停の申立ては、相手の住所地にある家庭裁判所または、夫婦が合意して決めた家庭裁判所に対して行います。

例えば、大阪府内で生活を送っていた夫婦が離婚することになった場合、離婚を申し立てた妻が京都府の

実家で生活しているという場合には、夫が生活をしている大阪家庭裁判所に申し立てることになります。

(逆に夫が離婚調停を申し立てる場合には、京都家庭裁判所が管轄裁判所ということになります。)

しかし、健康上の理由などのやむを得ない理由で遠方にある裁判所に出向くことが難しい場合には、

自分の住所地にある家庭裁判所で手続きをしてもらえるよう上申書を提出することができます。

この上申書を家庭裁判所が認めると、自分の住所地にある家庭裁判所で離婚調停を行うことが可能となります。

一方で夫婦が合意して離婚調停を行う家庭裁判所を決める場合、全国どこの家庭裁判所でもかまいません。上記の例でいうと、夫が大阪、妻が京都にお住まいでも、東京や神戸の家庭裁判所で行うことが可能です。

しかし、この合意は調停を申し立てる時に合意書を添付するか、申立書に主旨を記載しなければなりません。

 

■調停期日の通達

家庭裁判所での事件処理が開始されると、裁判所内で事前調査された後に担当の調停委員が決められ、

調停期日が指定されて、申立人と相手方の両方に呼出状が郵送されます。そして調停期日に裁判所に出頭

することになります。

調停期日にやむを得ない理由で出頭することができない場合は、期日変更申請書を提出します。

 

■調停にかかる費用

調停にかかる費用は、調停申立書に添付する収入印紙1200円の他、裁判所に予納する切手が800円

ほどで合計2000円程度かかります。

ただし、鑑定や出張などが必要な場合には特別な費用がかかりますのでご注意下さい。

 

■調停手続き

調停は、家庭裁判所内にある調停室で行われます。調停室では、調停委員と当事者が一つのテーブルを

はさんで席に着き話し合う形で行われます。

第一回目の調停では、申し立てた方から先に調停室に呼ばれ、調停委員から調停を申し立てた経緯、

夫婦生活や子供のことなどについて質問されます。

 

■調停が行われる期間

調停はたいてい6か月以内で終了することが多いですが、中には1年以上かかる場合もあります。また、

調停期日は約1か月ほどあいて行われます。

話が進められていくと、状況によっては申し立てた方と相手方が同席して話し合いをするということもあります。自分の言い分はきちんと話し、相手方が身に覚えのないことを言っていた場合には、しっかりと否定しましょう。

 

■代理人を立てる

本人が多忙の場合や、法律の不知の為、調停での話し合いがスムーズに進まないような場合には、代理人を立てることも可能です。

代理人は弁護士であることが原則ですが、裁判所の許可がおりれば、家族など弁護士でない者を立てることも可能です。

ただし、本人の出頭を命じられた場合には、必ず本人が出頭しなければなりません。特に相手方が弁護士に依頼した場合は、本人も弁護士に依頼することがよいでしょう。

 

■相手が調停そのものに応じない場合は出頭勧告がされる

当事者の片方が出頭せず、何度呼び出しを重ねても出頭しない場合には、出頭勧告として家庭裁判所の

調査官が出向く場合もあります。

どうしても相手が出頭しない場合、申立人が調停を取り下げなければ、調停は不成立となります。

離婚すること自体については合意しても親権者の決定、財産分与、慰謝料、養育費などその他の条件で合意できないなら、やはり調停は不成立となります。

 

■調停中に勝手に財産を処分されないようにする

朝廷の最中に勝手に財産を処分されてしまったり、名義を変更されてしまったりする恐れのある場合、

あるいは、調停中も生活費や養育費を支払ってもらいたいという場合には、「財産を処分してはいけない・生活費を○○円支払う」といった処分を申請することができます。

このような場合は「調停前の仮の処分の申立書」に、申し立ての趣旨と実情を記入して調停の際に提出します。この措置に違反した場合には10万円以下の過料がかかります。

なお、地方裁判所に仮差押や仮処分の申し立てをする方法もありますので、弁護士に相談することをお勧め致します。

 

■調停を取り下げる

調停中に何らかの理由で申し立てを取り下げて、協議離婚をしたいと思う場合には、何回調停をした後でも、いつでも自由に申立てを取り下げることができます。

また、調停をしても解決は困難であると判断した場合に、調停申し立てを取り下げることもできます。

調停の取り下げには、相手方の同意は必要なく、必要書類を提出するだけで可能です。

 

■調停成立後、裁判官が調停を作成する

調停の結果、離婚の合意が成立し、離婚に伴う慰謝料や財産分与等について話がまとまり、家事審判官または調停委員も離婚は妥当であると認められれば、調停は成立となります。こうして調停が成立すると、

調停委員、裁判官、裁判所書記官の立ち会いのもとで、合意ないようを記した「調停調書」が作成されます。

調停に離婚だけの申し立てがなされている場合は、調停調書には「申立人と相手方は、本調停により

離婚する」と記載されます。

しかし、財産分与などについても成立した場合には、「相手方は申立人に対し、財産分与として金○○円

支払う」旨が記載されます。

作成された調書は、調停調書正本の送達申請をして、後日、当事者双方に郵送されます。

 

■調書の内容は判決と同じ効力をもつ

調停調書に記載された事項には、確定した判決と同様の効力があります。

調書で決定されたことに従わなけらば強制執行されることもあります。

 

■調停が成立したら、役所へ離婚の届出をする

調停が完了したら、調停成立の日から10日以内に役所の戸籍係へ離婚届を提出します。期日を守らなければ、3万円以下の過料がかかる場合がありますので注意が必要です。

協議離婚では、離婚届が提出・受理されてはじめて離婚が成立しますが、調停離婚では、離婚が成立した事を報告するだけの意味合いをもちます。

届け出る役所は、夫婦の元の本籍地または、届出人の所在地の役所になります。

 

■離婚届の他に添付する書類

離婚届の他に、調停調書謄本を添付する必要があります。これによって、戸籍の夫の欄には、○年○月○日妻○と離婚の調停成立、妻の欄には、○年○月○日夫○と離婚の調停成立と記載されます。

また、本籍地に届け出る場合は調停調書謄本だけ添付すればいいのですが、本籍地以外の役所に届け出る

場合は、調停調書謄本以外に戸籍が必要になります。

調停調書の謄本は、調停が終わった際に裁判所で取得することができます。費用は、調停調書用紙1枚に

つき150円の収入印紙が必要です。

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